「国際人道法」とは何かというと、人の道にそれることに関する法です。
「人権」や「人道」という言葉は見聞きする機会も多いかと思うのですが、違いがあります。「人権法」は国連が主導、「国際人道法」は赤十字が主導していて、棲み分けができています。
人道法はアンリ・デュナンが創設した、武力紛争のときに適用される法律です。一方、武力抗争以外のときは人権法が適用されます。
ここで、ICRCが作成した国際人道法を紹介する動画↓を視聴しました。
https://www.facebook.com/watch/?extid=SEO----&v=453707508444330 「戦時の決まりごと」のこの動画を見て、これは今のミャンマーの状態じゃないか、現状のミャンマーに適用されるものではないか、と考えさせられるものでした。
億さんは、次のように、話を続けられました。
今のミャンマーでは民間人、それから病院でも人が襲われています。
ミャンマーの赤十字も被害を受けています。ミャンマーは1992年に国際人道法に署名しており、その後1999年からICRCの刑務所訪問が始まっています。それにも関わらず、ICRCが何もしていないのはおかしいとFacebookで炎上しているわけです。
いろいろな解釈の仕方がありますが、ネックになっているのは、国際人道法は、武力紛争時に適用されるという点なのです。
アンリ・デュナンが想定していた「武装勢力対武装勢力」となったときに国際人道法に抵触することになるのです。
今のミャンマーの状態は、シャンやカチンは除いて、どうなのでしょうか。
治安部隊が市民を撃つ一方、市民の方には武力がないので、想定外とされているのです。ですから国際人道法の範囲外になるのです。
そのため赤十字としては動こうにも非常に厳しい立場にいるということです。
もう一つの事情として、世界人権宣言が1948年に採択された後にいろいろな人権法と呼ばれるものが出ています。例えば国際人道法であれば1949年のジュネーブ条約が核となりますし、他にも今年2021年1月に核兵器禁止条約が発効されました。それが国際人道法の中のグループの中の条約あるいは法律になるのです。
この、1948年に採択された人権を保護し基本的人権を尊重する人権宣言については、ミャンマーも加盟国です。しかし、この人権法の中にも色々な人権法が入っており、女性差別撤廃や障害者の権利についての条約にはミャンマーはサインしているのですが、他の結構重要で肝心な、市民を守るというような人権法にはサインしていないのです。これも、今の状況のミャンマーで国際人道法を適用できない理由となっているのです。
(ただ、赤十字運動ということでけが人を助けることはできますので、何もできないことはありません)