アシン・ゴーティータービワンタ・サヤドーの法話
「穏やかな心で生活する方法(慈愛の教えと慈愛の瞑想)」
2021年1月11日(月)の午後(現地時間では10日の夜)、カリフォルニアにお住いのミャンマー人僧侶、アシン・ゴーティータービワンタ・サヤドーに「穏やかな心で生活する方法(慈愛の教えと慈愛の瞑想)」というタイトルでお話しを伺うことになりました。
きっかけはアメリカ在住のミャンマー人の古い友人が、世界的コロナ禍において、サヤドーによるZOOMメディテーションを毎週末行い、それが6月から途切れることなくずっと続いていることでした。公開されているサヤドーの瞑想指導の様子を見る機会が増えるにつけ、私達にも瞑想を教えていただけないかという思いが起こりました。友人を介してサヤドーにお願いしてみたところ、快く引き受けてくださり、この企画が叶う運びとなりました。
ミャンマー人仏教徒はいずれかの形で瞑想や祈りを日常的に行っています。世界的に広まっているヴィパッサナー瞑想やマインドフルネスもミャンマー仏教の実践に大きな影響を受けています。
今回は、ミャンマーにおいて現在でもテレビなどで高僧のビデオが放映され、以前から人々の間で手紙やメールの別れの表現としても使われる「慈愛(ミッター)を送る」ということを中心に、その教えと実践についてお話しいただくことになりました。
サヤドーからは具体的には、「ミッターとは何か」、「慈愛と通常の愛とはどう違うのか」、「慈愛には何種類あるのか」、「慈愛を送るということと慈愛を内に育むこと、慈愛の瞑想とは同じか」、「慈愛を送る方法にはどのようなものがあるか」、「慈愛を送るとどんな結果がもたらされるのか」、「実際には慈愛の瞑想をどのように練習すればよいか」といったお話が伺えるものと思います。
2021年新年のコロナ禍の冬の時期、ミャンマー人僧侶が語ってくださる、慈愛についてのお話や瞑想法に触れることで、落ち着かない心、かつえた心に少しでも温もりある穏やかさが戻り、その後の日常を見つめなおすなんらかの示唆が得られればと願っています。
原田正美
(追記)「サヤドーの法話と瞑想実践」は、おおよそ2時からです。
その前に、コーディネーターによる、「ミャンマーの瞑想とサヤドーの紹介、現地の状況の説明」などがあります。
アシン・ゴーティタービウンタ・サヤドー(Sayadaw Ashin Ghositabhivamsa)
1959年生まれ。9歳の時に沙弥となり1979年に比丘となる
米国カリフォルニア、カストロバレー所在のミッターナンダウィハーラ副僧院長
合格した試験
サーサナダザダンマサリヤ(政府主催)/ゼーティーインガナパリヤッティガナワーサカダンマサリヤ/ウィナヤヌッガハダンマサリヤ
教学指導を行ったミャンマーの僧院
イェーウー市、ミンガラーヤーマ教学僧院/マンダレー市、マソーイェンタイティッ、タイハウン/タウンジー市、テージングーパリヤッティ教学寺院/ヤンゴン市、シュエタウンゴン瞑想センター
瞑想修行
マハースィー瞑想道場/マンダレー市ミングン僧院マハーボーディー瞑想道場において瞑想指導僧のもとレーディー式を修行/ブタリン郡マウンダウンミェズィントーヤ・サヤドー、 パーアウトーヤサヤドー、アロードーピェ・サヤドー/エーラー市ガインダウ・サヤドーのもとで集中瞑想、ヴィパッサナー瞑想を修行/ アメリカ、タイ、ミャンマーにおいて、ドゥティンアチン(頭陀行:欲念消滅の修行)を行う
瞑想指導、法話(ダンマトーク)をおこなった国
アメリカ、カナダ、ジャマイカ、台湾、タイ、シンガポール、韓国、インドネシア、マレーシア
コーディネーター
米国側コーディネーター
ウー・チーシェイン(U Kyi Shein), 米国サンフランシスコ在住。工学士、経営学修士。
1988年にシンガポールへ出国(91年まで)、その後日本滞在(1991年~95)を経て、米国サンフランシスコ在住(1995年~現在まで)。
タクシードライバーとしての仕事の傍ら2007年より、テーラワーダダンマソサエティで仏教講習会を開催、2010年、クサラカーリー僧院からYouTube放映、2020年コロナ禍において、6月より毎週末(金、土、日)夜、アシン・ゴーティタビワンタ・サヤドーによるZOOM瞑想クラスを開催、8月より早朝クラスも開始し、現在に至る。
仕事中に、乗り合わせた客の様子を見て、仏教の教えについて語ることがある。
日本側コーディネーター兼通訳
原田正美(ビルマ語名Daw San Myint)。奈良在住。文学修士、宗教学仏教学修士。1986年から88年までビルマに留学。2015年1年間留学コーディネーターとしてヤンゴンに駐在。
現在大阪大学外国語学部ビルマ語非常勤講師、NHK文化センター(神戸、梅田、青山(オンライン)教室)ビルマ語講師、他。ビルマ(ミャンマー)語オフィスビサイド主催。
論考に「近現代ビルマ(ミャンマー)における「経典仏教」の変遷―<実践><制度><境域>の視点から(林行夫編著2009『<境域>の実践宗教 大陸部東南アジア地域の宗教とトポロジー』、京都大学学術出版)、「古典文学というナラティブ―ビルマ語仏教散文『ヤタワッダナウットゥ』が文学になるまで」(小泉順子編2018『歴史の生成 叙述と沈黙のヒストリオグラフィ』)他がある。
瞑想との出会いはビルマ語歴と同じくらいで長いですが、どちらもいまだ迷走中。ミッターポ(慈愛を送る)というビルマ語は、頂いた手紙の最終部でよく見かけ、自分でも使ってきました。今回「その心」について、お坊さんからお話を伺う機会が得られて、とても有難く思っています。