≪内容≫
以前、魚津さんの発表でピューの遺跡の紹介がありましたが、ミャンマーには他にもたくさんの遺跡があります。バガン前史として、最初に、そうした遺跡の幾つかを紹介したいと思います。つづいて、今回の主題であるバガン遺跡の概要、美術の特徴を話します。その際、周辺地域との文化交渉で重要なポイントを幾つか指摘します。そして、書籍等ではあまり紹介されていないバガン遺跡の壁画を紹介し、その魅力を伝えたいと思います。最後に、バガン時代に生きた人々が何を願い、何を考えてこのような仏教建築を建てたのか、古ビルマ語碑文の内容を紹介しながら、考えてみたいと思います。
≪プロフィール≫
寺井淳一
ミャンマーを初めて訪れたのは、岡山大学文学部歴史文化学科の3回生であった2003年、SEAMEO CHATが主催したスタディーツアーに参加したときのことです。それから、岡山大学在学中に調査でバガンを2回訪れ、卒論と修論を書きました。その後、国際NGOに所属しボランティアとして活動し、5か月間、ミャンマーのパカンヂーで農林業研修センターに滞在する機会を得ました。結局、研究を志して東京外国語大学大学院の博士後期課程に入学し、バガンを中心に周辺地域の遺跡を踏査しています。直近ではタイのスコータイ、ウートーン、ナコーンパトムで調査を行いました。現在は、国士舘大学と東京外国語大学で非常勤講師をしています。